選挙も終わり報道もだいぶ落ち着いてきたので書いておきたいと思います。

私はこの事件を知った時にものすごい衝撃を受けました。

今までも著名な方が亡くなったり、自ら命を絶った時など悲しみや残念に思う気持ちはありましたが今回ほど衝撃を受けたことはありませんでした。

本当に現実に起きていることとは感じられず、テレビやネットのニュースを次々と見ているうちに締め付けられるような苦しさを胸の辺りに感じました。

その時にはじめて、

と気がつきました。

例えば米国同時多発テロやボストンマラソン爆弾テロ事件の時に、実際にその場に居合わせた人よりも「事件に関する報道を長時間見ていた人」の方が心理的な悪影響があったと報告されています。

最近でいえばロシアによるウクライナ侵攻の報道がそれに当たります。

　

メディアによって今、どこで、何が起きているのかを知ることは大切なことですが、報道によって伝えられる惨状や恐怖、悲しみや怒りに繰り返し触れることは意識する、しないに関わらずストレスレベルを高めます。

自分の心を守るため「残酷な事件に対する報道」とどう付き合っていけば良いのか、精神医学で言われていることにヨガの観点を織り交ぜてご紹介したいと思います。

　

(1)情報に触れない

視覚や聴覚は大きな情報源、まずは情報そのものを取り入れないことが大事です。

苦しみの元となる情報に晒され続けたままだとなかなか回復することができません。

治りかけているかさぶたを剥がし続けているようなものです。

自分が苦しみを感じるものから適切な距離を取りましょう。

気持ちを切り替えるきっかけとして、

など声に出すのもおすすめです。

　

(2)呼吸を整える

深い呼吸は副交感神経を優位にしてくれる働きがあります。

両手をお腹に置いて鼻からの深呼吸を繰り返しましょう。

できれば４カウントで吸って４カウントで吐きます。

個人差がありますのでゆったり呼吸できていれば何カウントでも大丈夫です。

　

また、深呼吸中は常に呼吸に意識を置いておきます。

もし何か考え事、特に苦しみの元となっていることが頭の中によぎったら

気がついた時点で「今は呼吸に集中しています」と心の中で唱えてからまた呼吸に意識を戻します。

早ければ1分でも呼吸が深まり、気持ちが落ち着いてくるのを感じられます。

もう少し時間が必要だな、と感じたら5分でも10分でも必要なだけ繰り返しましょう。

　

(3)好きなことを書き出す

自分が楽しめること、幸せを感じることを紙に書き出します。

ケーキを食べる、好きなドラマを観る、カラオケで歌う。

どんなことでも大丈夫ですので思いつくままに書いていきましょう。

　

コツとしてはあまり考え込まず、思いつくままにどんなものでも書いていきましょう。

できれば２０個以上、実際に紙とペンを使って書き出すのがオススメです。

書き終わったらそのリストを眺めてみて、その時の気分で一番やりたいことをしましょう。

　

(4)話したい時は気持ちを話す

苦しみの元となっていることについて話したい時は遠慮せずに話してしまいましょう。

想いを外側に出すのも立派なデトックスです。

ただしこの時、注意して欲しいのは、

という人に話を聞いてもらうこと。

相手にも「聞いたことに対して反論や否定しないこと」を約束した上で話を聞いてもらいましょう。

基本的にはただうんうん言いながら聞いてもらうのが理想的です。

　

もし、身近に安心してお話しできる人がいない場合は紙に書き出すのも効果的です。

そんなの本当に効果あるの？と思われるかもしれませんが、試しに一度やってみてください。

思わぬカタルシスを感じることができたりします。

---

いかがだったでしょうか。

既に報道がひと段落ついてきたため、もうこの事件について苦しみを感じる人は少ないかもしれませんが、ストレスを感じるどのような場面でも応用することができます。

　

例えばがんになったことに対する不安、再発に対する恐れ、ご自分の内側に留めておくのは大変です。

ご自分の思考を別の楽しいことに向けたり、想いを内側から外側に出すことによってストレスレベルが下がり日常を心穏やかに過ごしたり不眠の解消にも繋がりますのでぜひ試してみてください。

　

惨事報道の視聴とメンタルヘルス – 一般社団法人日本トラウマティック・ストレス学会

https://www.jstss.org/docs/2022030300033/

Pch.vector – jp.freepik.com によって作成された abstract ベクトル