参加者の声

Happy Voices

東 厚子(ひがしあつこ)さん
東 厚子(ひがしあつこ)さん

がん種

成人横紋筋肉腫(右背部) ステージ3

治療

菱形筋・僧帽筋全切除、化学療法

現在

寛解(一年に一度の定期健診)

がんが発覚した時のこと

17年前に希少がんである軟部肉腫と診断され、36歳誕生日前日に病理検査の結果、成人には珍しい高悪性度の横紋筋肉腫であると発覚しました。
聞いたことのにない病気でしたので最初のショックは小さかったのです。
その後、予後が悪く生存率が低いことを知り愕然とし、死への恐怖よりも当時3歳と6歳だった子供の成長を見守れないことや転勤族の夫の仕事への支障の不安の方が大きかったです。

治療から現在まで

術後の化学療法では副作用のオンパレード。
最低でも4クールの治療が必要だということは承知していましたが、体力・気力共に限界だと感じ主治医と相談し予定より早く切り上げ退院しました。
笑うことや子供を叱る元気もなく、手の上げ下げも上手くできず家事や子育てができないもどかしさが相まってQOL(生活の質)はどん底でした。
長期入院と副作用・後遺症により完全に心が壊れていたように思います。
実家は遠くママ友や友人たちも忙しい中、手伝ってもらうことに申し訳ない気持ちでいっぱいでしたが、両方の母親が上京してくれ友人たちも手を差し伸べてくれたり応援してくれたりと人の温かさに触れることができました。
家族の帰宅を笑顔で迎えることから始まり、近所の散歩や子供の送迎、近場への日帰り旅行という感じで行動範囲を広げ、自宅ではお笑い番組やDVDをレンタルして大笑いして体力回復に努めてました。
笑うって、結構運動になります。
少し先の目標を決めて達成している自分をイメージしたりもしていましたし、当時はSNSやインターネットが普及なかったので難治性がんの方の体験記を読み、心の在り方を学ばせていただいたりと、その時に自分にできる楽しみを見つけて過ごしていました。
17年経過した今は、おそらく良性であろうと思われる腫瘍が数か所と地味な後遺症に悩ませれていますが、日常生活はもちろんのことアルバイトや趣味を楽しんでいます。

「がん経験者のヨガ」との出会い

「がん経験者のためのヨガ」との出会いは、小児がんやAYA世代世代経験者のグループが主催してくださったオンラインイベントに参加したのがきっかけでした。
そこでRaviさんより初めて瞑想の方法を教えていただき、20分ほどの体験でしたが、自分の心のモヤモヤと向き合い瞑想後は呼吸が深くなったのを鮮明に覚えています。
知らず知らずのうちに過去の出来事や未来の不安に気持ちが向き、呼吸が浅くなっているんですね。
しばらくして「がん経験者のためのヨガ」を定期的にオンラインで開講してくださると聞き、週一回ペースで参加させていただくようになりました。
色々なエリアから参加参加されているがんサバイバー同士で、季節の移ろいや日々の小さな感動・耳より生活情報などをクラスでシェアしていますし、インストラクターの先生皆さんの笑顔が素敵で、一人一人の体調に合わせた動きを丁寧に指導してくださいます。
私にとって「ヨガ経験者のためのヨガ」は心と体の栄養補給をしたり、先生方や仲間のお話から日常生活をより楽しく過ごすヒントを得られる場所の一つです。

厚子さんからのメッセージ

罹患して17年が経過しましたが、若くしてがんになり良かったことは何一つないと思っていました。
ただ、こうやって振り返ってみると病気という不運に見舞われ私と家族の人生は大きく変わってしまいましたが、小さな喜びや当たり前の幸せに敏感になることができました。
また元来、人とのつながりや会話を大切に過ごしてきましたが、病後沢山の出愛・支え愛・ご縁に恵まれ、自分にない経験や発想を伺い生き方や心の在り方のヒントにさせていただいています。
私と関わってくださった方すべてが、神様からのプレゼントです。
がん治療は目まぐるしく進歩していますし、様々なサポート体制も充実しつつあります。
手術や治療をがんばっている皆様、頑張らなくてもいいので諦めないでくださいね。
そして、差し伸べてくれる手は遠慮せずに握ってください。
すべてがんサバイバーさんが、たった一度の今日というかけがえのない日を笑顔で楽しむことができ、がん晴れる日が訪れることを願ってやみません。
「がん経験者のためのヨガ」をはじめイベントでの、新たな出会いを楽しみにしています。